- これから歯科衛生士として歯科医院で働き始める
- 他院での歯科衛生士の身だしなみはどうしているのか知りたい
- 院長や先輩衛生士、患者さんから言われる前に気をつけたい
今回は「歯科衛生士さんの身だしなみ」をテーマに、現役の歯科衛生士さん10人にアンケートを取ったものをまとめました。
これから歯科衛生士として働くうえで、身だしなみについての基準って欲しくないですか?
あれがダメ、これがダメなんて言われてもオシャレはしたいもの。
ある程度のことは、学校の先生から指導を受けているとは思いますが、社会人になったら少しくらいは羽目を外したいですよね。
そこで、現役の歯科衛生士さん10人にアンケートをとって、実際に働いている歯科医院での身だしなみについてを調査してみました。
歯科医院ごとに違いはあるものの、皆さんどのようなことがNGとされているのでしょうか?
それではさっそく見ていきましょう‼
歯科衛生士が身だしなみで気をつけていることやマナーとは?
歯科技工士とは違い、患者さんとの接触を避けられないのが歯科衛生士さんですので、身だしなみについては歯科医院である程度のことは定められているでしょう。
例えばあまりにも奇抜な髪色をしていると、患者さんからの印象を悪くしてしまうかもしれません。
その点、歯科技工士は患者さんと接することがほとんどないため、身だしなみについてはとやかく言われたことがありません。
しかし、陰気なキャラが多いこともあって、地味な人が多かった記憶があります。
女性に関しては、何かと素手で作業をすることが多いので、冬はあかぎれになることもよくあり、ネイルどころか「女の手じゃない」と嘆いている方もいました。
どちらにしても、歯科業界で働くということは、アパレル関係とは違ってオシャレをしづらい環境にあるのかもしれませんね。
髪色は先輩歯科衛生士さんよりも明るくならないこと
西日本在住の30代女性です。現在は歯科の仕事からは離れて専業主婦をしており、自身の給与収入はありません。
歯科助手を数年経験したのち、歯科衛生士を目指して資格取得しました。
歯科業界での勤務歴はトータルで約8年程です。
歯科医院によって差が大きいですが、私が勤務していたクリニックや実習でお世話になったクリニックではネイル禁止がほとんどでした。
中にはクリアタイプのマニキュアを塗っている方もいましたが、あまり多くはいらっしゃいませんでした。
爪は伸びてくると、グローブが破れて不衛生になるなど業務に支障が生じるため、小まめな手入れする必要があります。
一方で歯科助手の方は、主に受付を担当されている方は控えめなネイル(華美でないヌーディーな色のネイル)ならOKというクリニックもあり、院長の考え方や業務内容、クリニックの雰囲気により差があるように思います。
逆に、器具洗浄や歯科医師のアシスタントを主にされている方は、歯科衛生士と同じ理由から爪は短く整える方が多いです。
髪色は比較的自由なクリニックが多い印象ですが、地方のためか赤やピンク等の派手な色や金髪の方にはお会いしたことがありません。
どのレベルの明るさまでOKか?については具体的な規定がなかったため「先輩衛生士よりも明るくならないように」を意識していました。
その他、禁止されていたのは香水でした。
これに付随して柔軟剤の香りもきつくなりすぎないよう心がけていました。
ネイルは禁止・爪は短く切って患者さんの口腔内を傷つけないように
31歳女性、現在はワーキングホリデーでオーストラリア在中3年目ですが、2年制の専門学校を卒業して新卒から約9年ほど歯科衛生士として地元北海道で働いておりました。
2件働いたのですが、最後の歯科医院では一般の歯科に加え、インプラント、矯正、美容歯科など幅広い分野で携わっていました。
2件働きましたが、どちらもネイルは禁止でした。
爪は1週間に一度は切るなど、患者様の口腔内を傷つけないように注意を払っていました。
髪色は黒でなければダメということはなかったのですが、1件目の歯科医院では明るい色にすると(インナーカラーなど)院長等には言われないものの、主任衛生士に『ちょっと派手すぎない?』と注意を受けました。
二件目で働いた歯科医院は、さすがに金髪の人はいなかったですが、ある程度派手な髪の毛に(明るい色やブリーチの部分にカラーバターで奇抜な色を入れるなど)しても大丈夫でした。
しかし、友人が働いていた関東などの歯科医院では、髪の毛を全く染めてはダメという歯科医院も稀ではありますがありました。
ピアスは両歯科医院において、つけても問題はなかったです。
耳たぶから、ぶら下がる形の物は控えて、耳たぶに収まる小ぶりのピアスをみなさんされていました。
私が聞いた話では、スカルプなどの長さ出しした爪で入れ歯をはずしたり(結構難しいです)している歯科医院もあるそうです。
とくに美容歯科に力を入れているお洒落な雰囲気の歯科医院は、割と髪の毛もネイルも自由である傾向な気がします。
ネイル・結婚指輪は禁止、香水などの匂いもしないようにしている
年齢は29歳。(妊娠出産を機に現在は退職し、0歳児を育児中のため専業主婦をしています。)
28歳まで、約7年歯科衛生士として勤務していました。
静岡県に在住で、最後の年の年収は約350万円ほどです。
7年のうち、新卒で勤務した職場は合わず8ヶ月で退職し、翌月から働いた職場で6年と2ヶ月勤めました。
私が勤務していた歯科医院では、ネイルや結婚指輪も禁止されていました。
爪も長くならないようにこまめに切るようにしています。
爪が長いと、不潔なのはもちろん歯肉マッサージの時に患者様の口腔内に当たり不快な思いをさせてしまう恐れもあるためです。
それは退職した今でも習慣づいています。
髪色については金色に近いような明るい色や、派手な髪色(アクセントで赤や緑など、茶色以外のカラー)にはしないようにと言われてきました。
ピアスについては、じゃらじゃらと垂れるようなものは付けないように、と注意されており、シンプルなストーンのものやシルバーのもの、または透明ピアスなどをつけていました。
私自身ピアスホールは5つ空いていましたが、ネジタイプのピアスでも緩むとキャッチ部分が取れてしまう場合もあるので、患者様のご迷惑にならないよう装着はしていませんでした。
あとは、匂いについても気をつけていました。
香水などはもちろん着けませんが、シャンプーや柔軟剤、ハンドクリーム等も香りのきついものもよくありますので、そういった所にも注意していました。
禁止事項はなくても、常に患者目線に立って自分で考えたことを実施する
福岡在住です。福岡県北九州市の九州歯科大学附属歯科衛生学院を卒業し、歯科衛生士として8年ほど2つの歯科医院で勤務しました。
SRP、スケーリングなど、歯周病に焦点を当てた施術が好きでした。
今は海外と日本を行ったり来たりすることが多く、勤務が難しいためWEBライターをしています。
今まで2院で働きましたが、私が勤めていた歯科医院は禁止事項はありませんでした。
現に、身だしなみを意識していない同僚スタッフもいましたが、注意を受けているのを見たことはありません。
しかし学生時代には、できるだけ清潔な服装や身だしなみを心がけるようにと教えられてきましたので、自分で意識していました。
特に気をつけていたのは、下記の点です。
・手のネイルをしない
・足のネイルはできるだけナチュラルなカラーを選ぶ
・爪を短く切る
・前髪はピンで止め、髪が長くなると後ろで束ねる
・ナース服が汚れたらすぐに取り替える
・メイクはナチュラルにする
メイクを全くしないのも、社会人としてどうかと思いましたので、ナチュラルなメイクを心がけ、特にアイメイクはブラウン、オレンジ、ベージュ系の目立ちにくい色を選んでいました。
反対に青、グリーン、キラキラしたゴールドなどは、使用せず、プライベートのみで使うように心がけました。
決まりはありませんでしたので「症状を訴えている患者さんが安心して任せられる身なりはどんな感じだろう?」「自分だったらどんな人に安心して任せたいか?」と考えて、自分で決めていました。
医療機関は見た目や清潔感が一番大事、オシャレは二の次
岡山県在住、40代の女性です。
歯科衛生士の専門学校を卒業してから、トータルで約20年歯科衛生士として働いています。
出産、子育ての為、違う仕事も経験してみたいと思い、派遣社員で医療事務やデータ入力の仕事も経験しました。
私が今まで勤務した歯科医院ではネイルは禁止でした。
しかし、グローブをはめていて見えないという理由で、他医院に勤務している友達はネイルをしていました。
ベージュぐらいのネイルなら大丈夫だと言われた事があります。
髪色やピアスなどは派手でなければ、大丈夫でした。
衛生士・助手・受付でも清潔感があれば大丈夫だったようで、院長から特に注意を受けたりする事もありませんでした。
身だしなみは医院によってバラバラで、先生の好みもあるし、仕事をしてくれたら全く気にしていない先生もいるみたいです。
若い時にはいろいろなオシャレをしたいとは思いますが、医療機関はやはり見た目や清潔感が1番大事だと思うので、私はあまり派手になり過ぎないよう、毎回美容院で相談していました。
私の住んでいる所は田舎のため、患者さん自体がおじいちゃんおばあちゃんが多いので、あまり派手だとビックリしてしまいます(笑)
メイクなんかもナチュラルにして、ちょっと化粧が薄すぎるかなぐらいでみなさん仕事しています。
爪は短く、髪色はハイトーンほどの明るい色は禁止、アクセサリー類は全般禁止‼
歯科衛生士4年目、24歳の女性、住まいは神奈川県、職場も神奈川県です。
年収は約400万です。
週休2日、祝日がある場合は祝日も休み。
夏休み、冬休みは平均7日〜9日です。
勤務時間は9:00~19:00までとなります。
ネイルは禁止、爪は基本短くする、職場にも爪切りが常備されています。
ただし、爪を磨く事は良いみたいで、院長は自分の爪を歯科で使うバーなどでたまに磨いているところを見かけます。
ネイル以外に禁止されていることは、ピアス、イヤリング、ネックレス、指輪等アクセサリー類は全般禁止です。
髪色は、ハイトーンほどの明るい色は禁止。(但し、院長の気分による)
院長がセミナーや勉強会などを受けた後の診療時は、スタッフの身だしなみをよく見るようになるので、いつもは注意されない明るめの茶色でも注意されることが稀にあります。
一方、院長が気にしていないときは、緑や紫、ブルーと言った髪色でも注意はされません。
そのため、院長がセミナーや勉強会に行った後はスタッフは髪をお団子にするなどして、注意されないよう工夫をしています。
出勤時の私服に関して、直接的に注意された事はありませんが、ボーナス前に院長が記載をする評価表の項目の一つに、私服についての項目があるので、露出度の低い私服で出勤時するよう心がけています。
露出度が高い私服で出勤するときは、院長に会わないよう、急いで更衣室に入るようにしています。
垂れ下がるような大きなピアスはNG! ピアスは外した方が無難
沖縄県在住の女性、45歳。年収は200万円位だと思います。
フルで働いていないため年収は少ないのと、沖縄にいるので時給が低いこともあり、そんなに高額なお給料は望めません。
以前は、本土でも歯科衛生士として働いていましたが、やはり医療業界で勤務している場合は、どこもアクセサリーやネイルはNGだと思います。
やはり、医療業界勤務の方は、身だしなみには厳しいですね。
どこでも、ネイルやピアス、髪の色は厳しい取り決めがあります。
医療事務では窓口作業も多いため、手先のネイルは目につきます。
医療関係という業務の特質上、清潔感は一番重要視されるポイントだと思います。
そして、医療事務のお仕事での髪型は、ネイル同様に清潔感のあるスタイルが適切ですし、髪色に規定を設けている医療機関はほとんどないようですが、髪色も一般的に派手すぎないナチュラルなカラーが好ましいと思います。
ピアス・アクセサリーも業務に集中出来るように外したほうが無難です。
医療事務でのピアス着用は、医療機関によっても考え方が違うようです。
一般的には、華美でないピアスはOKや、複数でなければ構わないというクリニックもありますが、業務に支障がきたすであろう垂れ下がるピアスや、サイズの大きなものは避けたほうがいいと思います。
やはり、お洒落もしたいですが、医療関係の方は仕方ないですね。
清潔感や安心感を与えられる見た目を意識することは大事
大阪府在住の29歳、女性です。
既婚者で現在は専業主婦をしています。
以前、地元のデンタルクリニックでバイトも含めますと10年ほど勤めていました。
現在は妊娠中で、来年の春ごろに男の子を出産する予定です。
当歯科医院では、身だしなみに関する明確なルールは特にありませんでした。
金髪でもOKですし、ピアスやネックレスも身につけていても大丈夫でした。
暗黙の了解的な感じで、ネイルをしている方は誰もいなかったんですが、ある日若い歯科助手の子がネイルをしてきて、先生に確認したところ、歯科助手は直接患者さまの口内に触れることはありませんので、あまりに派手な色(原色カラー等)や、大きい装飾などでなければ問題はないとのことでした。
ルールとして定まってはいませんが、もちろん危険なので歯科衛生士は禁止です。
先輩衛生士に爪の長さを指摘されて、短めに整えるように指導されている方もいました。
また、医院としてルールがなかった髪色についてはその後、患者さまから受付担当の女性の髪色が赤色のインナーカラーをしていて、清潔感がないとクレームをいただいたことをキッカケに、金髪〜派手髪(赤や緑など)は禁止されました。
このように会社としてルールがないとは言え、医療に携わる仕事なので清潔感や安心感を与えられる見た目を意識することは大事だと痛感させられました。
院長が茶髪でも髪色やネイルなどは常識の範囲内とし、清潔感を大切に
中国地方在住の55歳女性.。
医療法人一般開業医に勤務する歯科衛生士です。
既婚者で、独立している子供が2人います。
勤務時間は9時から19時、そのうち13時から15時までは休憩時間となっており、正社員として働いています。
私の勤務先では、身だしなみについての規定はありません。
周りの歯科医院と比べて比較的自由という感じです。
髪型・髪色・ネイルについて規定がないため個人の常識に任せる感じですが、以前は髪型・髪色で奇抜な歯科衛生士もいました。
最近はネイルをしている者もいます。
グローブをつけているため患者様からは見えませんが、ネイルを重要視するため、指先での作業は軽く済ませる感じのように見えます。
医院の規定はそれぞれの院長の考え方によると思いますが、勤務先の院長は自身が茶髪だったため、職員にもうるさく言える感じではありませんでした。
ピアスはどちらかというと、私のように年配衛生士が遊び心と、プチおしゃれでつけたりする日もありますが、ぶらさがるようなものでなく、目立ちにくいものをつけています。
自分で気をつけていることは清潔感を大事にすること。
以前は、中途半端な髪型でも後ろに束ねると、年齢的に老けてみえるのがいやで、少し垂らしてみたりした時期もありましたが、まめに美容院に行くことで束ねなくていい髪型にしています。
なお、規定は受付も助手も同様です。
金・銀髪はNG、ピアスは耳のみ、ネイルはカルジェルのみ禁止
54歳の女性。年収800万円、東京都在住です。
歯科衛生士の部門長を行っており、長く歯科衛生士として活躍しています。
勤務先は大学病院系列の大きなクリニックで、系列クリニックのため3、4クリニック掛け持ちとなっています。
歯科衛生士としてだけではなく、歯科医院で働く方には、禁止させている身だしなみがいくつかあります。
それは、髪色は金髪と銀髪のみカラーリングカラーとして禁止しています。
公序良俗に反する20代前後以降からの犯罪者にて、ある時代に流行っていた髪色であった統計結果を参考にした結果です。
患者様の衛生面をお守りさせていただく上で、そのような規定を設けさせていただいております。
それ以外ですと、ピアスは耳以外にはあけたりつけてはいけない、ネイルはカルジェルのみ禁止というものがあります。
服装としては、基本的に当クリニックは系列クリニックを含めて全て私服を禁止し、制服で働いていただいているので、大きな禁止事項はありませんが、勤務中に上着としてパーカーを羽織ることは禁止しています。
アクセサリーと服装に関するこのような禁止規定は、公序良俗に反しない見た目として、海外の医師会が発表している服装に関する統計を参考にしたものとなります。
このような規定の対象者は、当クリニックと系列クリニック全てで歯科助手、受付、歯科医師、歯科衛生士といったそのクリニックで働くすべてのものを対象にした規定となっています。
まとめ
- 髪色は先輩衛生士よりも暗め、又は同等くらいに(金・銀はNG)
- 患者さんのことを考え、ネイルはせずに爪も短くしておくこと
- 指輪やネックレス・ピアスなどのアクセサリー類はつけない方がよい
- オシャレをしたくても我慢‼
- 常に清潔感を保つこと
- ルールは歯科医院ごとに違うが、常に患者さん目線での配慮が必要
歯科助手さんとは違い、患者さんの口腔内に直接触れることのあるお仕事のため、ネイルは禁止、爪も短くしておかなければならないといった禁止事項が多いように感じられました。
理由としては、薄手のビニール手袋が破けないようにするためでもあるとのこと。
僕も現在働いている工場で、薄手のビニール手袋をはめて作業していますが、ちょっとした小さな傷でサクッと破れてしまうような代物です。
厚手では口腔内の細かい作業ができないので、仕方のないことにしても、破れた際に口腔内を傷つけないようにするためには、爪は短くしてネイルは禁止するなどの対策は必要かと思います。
このような観点からも、やはり医療関係で働くということは、オシャレをしたくても患者さんに寄り添った配慮が不可欠のようです。
清潔感を第一として、見た目で患者さんへの安心感を与えるという意味では、「アロハシャツを着た歯科医院」なんてユニークなところもあります。
歯医者は怖いところといった苦手意識を、払拭したい企業努力の表れなのでしょう。
そんな歯科医療の現場にて働く歯科衛生士さん達ですが、オシャレ以外にも抱える悩みがあるそうですので、もしよろしければぜひこちらの記事↓をご覧ください。
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