歯科衛生士は若いうちだけ⁉歳をとったら辞めなきゃいけないの?

    こんな人におすすめ
    • 歯科衛生士とは一生働ける職業なのか心配
    • そういえば歯医者で若い歯科衛生士さんしか見たことがない
    • 歯科衛生士にとって、歯医者以外での活躍の場を知りたい

    今回は、「歯科衛生士さんは若いうちだけ⁉」と題して、8人の歯科衛生士さんにアンケート調査をした結果をまとめました。

    歯医者で、おばさんの歯科衛生士さんを見たことがありますか?

    当然、なかにはいらっしゃるかと思いますが、僕は若くてキレイな歯科衛生士さんしか見たことがありません。

    もしかすると、若い方しか見受けられない理由の一つに、歯科衛生士さんの離職理由に多い「結婚・出産」などが関係しているのでしょうか?

    それとも暗黙の了解で、うちは若い歯科衛生士さんしか雇わないなんて歯科医院があったりして・・

    例えば、こんなことも考えられるかと思います。

    結婚されたことを機に、歯科衛生士を辞めて家庭に入る、もしくはブランクを気にして歯科医院でまた働くのがイヤで、今までの経験を活かして違った職業に就くなど。

    人によって様々な理由から、離職・転職をされるのは当然ですが、歯医者にて若い歯科衛生士さんを多くみることには、何か理由があるはずです。

    それではさっそく、ベテラン歯科衛生士さんの行く末を、アンケート結果からひも解いていきたいと思います‼

    目次

    ベテラン歯科衛生士さんの行く末

    歯科衛生士の国家資格には、年齢制限や免許返納をしなければならないような法律はありません。

    そのため、いくつになっても歯科衛生士として働くことは可能です。

    (働いている先の歯科医院に、定年制度があればルールに従う必要があります)

    歯科技工士も同じく、免許を返納しなければならないようなことはありません。

    しかし僕も含めて、8割の方が歯科技工業界の現状がイヤになり、他業種へと散っていく現実にあります↓

    ベテラン歯科技工士の場合では、加齢が原因で目が悪くなり、生産効率の悪くなった人が退職に追い込まれるという話はよくあることです。

    経営者からすると、若くて手の早い歯科技工士の方が素直で扱いやすく、給料も安くて済むことから、ベテランよりも重宝される傾向にあります。

    歳を取っても生き残れる歯科技工士は、インプラントなどの単価の高い自費技工物を作れる技工士か、大手ラボにて言われたことを淡々とこなすイエスマンのみです。

    一生続けられる職業であっても、年齢を重ねるごとに求められる条件が変わってくるのは、歯科衛生士さんでも同じこと。

    それをどう乗り越えるかは個々の判断によって、見合ったポジションにつくことができればいいのです。

    妊娠・出産後に子供の面倒を見ながらの職場復帰が難しい

    年齢は29歳です。(妊娠出産を機に現在は退職し、0歳児を育児中のため専業主婦をしております。)

    28歳までの約7年間、歯科衛生士として勤務していました。

    静岡県に在住で、歯科衛生士としての最後の年収は、約350万円ほどです。

    約7年のうち、新卒で勤務した職場とはウマが合わずに8ヶ月で退職し、翌月から働いた職場で6年と2ヶ月勤めました。

    歯科衛生士が若い方に多いのは、新卒で入社した方の多くが、結婚や妊娠、出産を機に退職される方が多いからだと思います。

    私もそのうちの一人です。

    歯科衛生士は大体の方が、歯科医師国保と言う健康保険に加入しています。

    しかし、歯科医師国保では出産一時金の制度などはありません。

    また歯科医院の多くが個人病院であり、少人数で診療を回しているところが多いと思います。

    そのため、妊娠・出産のために一時的に人手不足になり、人を雇うことが難しかったり、育児休暇を取得することが困難なことが多いです。

    また、診療時間が夜遅い所がほとんどのため、産後戻ったあとにフルタイムで働くことも難しいです。

    パートで勤務する事ももちろん出来ますが歯科医院によっては担当制であり、子どもを理由に急な早退や休みを取るのが厳しいため、職場に居づらくなる場合もあります。

    実際、私の周りにもこのような理由で歯科衛生士を辞めてしまったりする方が多いです。

    しかし、歯科衛生士の活躍場所は歯科医院だけではありません。

    これから増えるであろう介護・高齢者施設での口腔ケアも注目されています。

    私は、これまでの臨床経験を活かし、口腔ケアに携わることも視野に入れています。

    老眼のため現場を離れ、企業や教師として再就職

    31歳女性です。

    現在はオーストラリア在中3年目ですが、オーストラリアに来る以前まで、新卒〜9年程歯科衛生士として地元の歯科医院で主任として働いていました。

    地元は北海道になります。

    新卒で働いていた場所は3年半程勤務し、最後に主任として働いていたところは6年ほど勤務していました。

    確かに正社員で働いている人は若い人が多いかもしれないです。

    しかし、私が最後に勤務していたところはパートさんの平均年齢は45歳くらいだったと思います。

    歳をとってからも働けないわけではないです。

    ただやはり、口の中という狭い空間で細かい作業をしなければいけないので、老眼などで目が見づらくなってくると難しいです。

    一緒に勤務していたパートさん当初(48歳くらいの方)は、レーシック手術を行った経験が過去にあったようです。

    しかし、既に老眼も進行していたため、メガネを首から2種類ほど常にかけていて、治療によって使い分けをしているようで少し大変そうでした。

    さすがに60代まで活躍できる職業ではないかもしれませんが、結婚し、出産・子育て中の方でも、ある程度過去に経験があれば多少のブランクの後も復帰のしやすい職業です。

    私の住んでいた地域は田舎だったのでそのような求人はなかったのですが、ベテラン衛生士としてライオンやG Cなど歯科企業で働いている方もいました。

    あとは各歯科衛生士学校の教師とかですね。

    教師は非常勤でかなり年配の方もいらっしゃいましたので、ある程度の現場(病院勤務)を得て、企業や教師として活躍してる方も多いかもしれません。

    育児や低い給与への不満から、若いうちに退職する人が多い

    東京都在住の40代女性。年収は450万円です。

    24歳から35歳までの12年間、都内のデンタルクリニックで歯科衛生士として勤務し、現在はオリエンタルランドで正社員として勤務しています。

    26歳で今の旦那と結婚をし、30歳で第一子、34歳で第二子出産。

    現在は夫と私、長男、次男の四人家族です。

    私の勤務していたデンタルクリニックでは、大抵が若い女性の人です。

    歳をとって職場にいるのは、院長・副院長ぐらいで、ほとんどが40歳ごろには転職・退職していました。

    女性の場合は、結婚・出産や育児などで退職される方が多く、私ももっと家族との時間を大切にしたいと思い退職しました。

    また、歯科衛生士は他の医療系の職業とは異なり、ボーナスが基本的に少なく半月分ぐらいしかもらえません。

    そのため、必然的に給与が少なく勤務時間の割に合わない給与だと思います。

    歯科衛生士はなりたい人が多いので、いくらでも替えがおり、給料が低くてもやりがいで補うことができるアグレッシブな若者ぐらいにしか向いていません。

    そのため、30代後半になると必然的に給与が低いことへの不満が募り出します。

    そうすると職場に居づらくなり、家族との時間を大切にするためにも、自分の時間を大切にするためにも転職し出します。

    これらの要因で、歳をとった歯科衛生士の方はあまりに見かけないのだと思います。

    訪問歯科や乳幼児への診察、若いお母さんへの指導をする

    西日本在住の30代女性です。

    現在は歯科のお仕事をお休みして、専業主婦をしています。

    そのため私自身の給与所得はありません。

    歯科助手を経験後、歯科衛生士の資格を取得しました。

    歯科業界従事歴はトータルで8年程です。

    たしかに歯科衛生士は、比較的若い世代の活躍が目につくことの多い職業かと思います。

    年齢を重ねることが直接の要因となって、職場に居づらくなる風潮はないかと思いますが、院長が代替わりされたタイミングで院内の雰囲気も変わり、退職される方もいると聞きます。

    また、目を酷使する職業であることに加え、身体的な負担も大きいので、体力的な理由から働き方を変える方もいらっしゃる印象です。

    40・50代の方でもクリニックで活躍されている方はたくさんいらっしゃいます。

    最近はクリニックへの通院が難しくなった患者さんが自宅へ訪問してもらって口腔ケアを受けるケースも多くなってきました。

    そのため、訪問歯科をメインに従事されている方や、子育て経験を活かして乳幼児を診察・若いお母さん方へ指導される方もいます。

    同年代である私のような衛生士から指導されるよりも母親世代の衛生士からアドバイスをもらうことで安心される方も多いです。

    年齢関係なく離職率・転職率は高い職業かなと個人的には感じています。

    転職される際は、歯科衛生士として・1人の女性としてのそれまでのご経験を活かすことができ、自身の体力や家庭とのバランスが取れるような職場へ転職されている印象です。

    ゆくゆくは訪問診療を、年齢にあった仕事の仕方も必要である

    中国地方在住、55歳女性。

    一般開業医に勤務する歯科衛生士です。

    独立している子供が2人います。

    勤務時間は9時から19時、うち13時から15時までは休憩時間となっており、正社員として働いています。

    勤務先の環境にもよると思いますが、私の場合は年齢による働きにくさが全くないわけではありません。

    たとえば、同じ年代の正社員がいないこと、20代前半の社員と価値観が合わないこと、ハードワークになった場合疲労感を感じやすくなってきていることなどが、働きにくい理由としてあげられます。

    逆にベテラン歯科衛生士が求められるケースもあります。

    訪問診療に力をいれている歯科医院では、高齢者に対する対応力のある歯科衛生士を必要とし、ある程度年齢のいったベテラン歯科衛生士が求められることも多くあるようです。

    私は同じ医院に長く勤務しておりますので、メンテナンスの担当も多く、自分の年齢とともに患者さんの年齢も重ねられることで、やりがいを感じながら仕事ができているように思います。

    今後の課題はどこまで正社員として働けるかになりますが、健康であればできるだけ長く今の状態を続けていく予定です。

    もうひとつのプランとしては、訪問診療を勉強しているためそちらへのシフトも考えています。

    理由は、年齢にあった仕事の仕方も必要であると考えているからです。

    結論、歯科衛生士は歳をとっても健康であれば続けていける職業です。

    地域の支援センターや介護施設、乳幼児検診などに携わるように

    大阪府在住、40代女性。

    地域の皆様の健康な生活をお支えすることを理念として、お子様への食育活動や、在宅で過ごされている高齢者の方向けの嚥下に応じた食事を提案をしています。

    歯科医院に若い衛生士しか見かけないというのは間違いではないですが、居づらくなるから去るのではなく、現場での細かな作業を伴う仕事は若い時に研鑽して、年齢を重ねてベテランになってきたら活躍する場所を変えているということです。

    逆に考えれば、知識を基にして働くのは、若い方には出来ないことです。

    また、歯科衛生士の資格取得後は、歯科医院で働く人が多い傾向にあります。

    ひと昔前までは、歯科医師のアシスタントという感じでしたが、今は予防歯科に力を注いでいる医院が多く、衛生士の技術が十分に発揮出来るようになりました。

    患者さんを受け持ち、メンテナンスを一人で担当しますが、細かい技術が必要です。

    若い時はそれも可能ですが、ある程度の年齢を重ねてくると、手元が見えにくくなってくるのでご自身の判断で、歯科医院での仕事を辞める人もいます。

    歯科衛生士は口腔環境を衛生に保つ知識を持っているため、地域の支援センターで働いたり、介護施設や乳幼児検診に携わったりと、身近な場所で活躍されている方は多くいます。

    日々の食生活についてアドバイスをさせていただき、虫歯や歯茎の異常に気がついたり、相談内容によっては受診をお勧めすることもあります。

    若い歯科衛生士の方が素直で働きやすいからと退職させられた

    27歳、京都在住の専業主婦です。

    歯科衛生士歴は4年、クリニックや大学病院で勤務していた経験があります。

    また学生時代もクリニックで歯科助手のアルバイトをしていたので、歯科業界で6年ほど働いていました。

    私が勤めていたクリニックでは、20代前半の歯科衛生士と、子育てが少し落ち着いた30代の歯科衛生士が半々くらいの割合で勤務していました。

    クリニックにもよると思いますが、やはり周りの話を聞いていると、年齢が上がると若い歯科衛生士から迷惑がられたり、40代で退職させられてしまったという知り合いもいます。

    先生側も、若い歯科衛生士のほうが素直で一緒にいて働きやすいと言っていました。

    残念ですが、クリニックは狭い空間なのでどうしてもお局さん的な存在がいるとピリピリしてしまうことが多いです。

    退職した歯科衛生士は、子育てや介護の経験を生かして地域の保健センターや介護施設に転職する方もいますが
    全く別の仕事を始める方も多いです。

    私の知り合いでは、医療系企業の営業職、マーケティング職、歯科衛生士学校教師、地方公務員、料理教室の先生など様々です。

    また、心機一転、ワーキングホリデーで海外留学した知り合いも2人ほどいます。

    人それぞれではあるのであくまで私の目線から見た業界の特徴ですが、看護師さん・臨床検査技師さんといったほかのコメディカル職より、国家資格の取得が簡単(合格率約95%)なので、その分辞めやすいのかなとも思います。

    若い歯科衛生士が産休や子どもの急病等で対応できない場合は、ベテラン世代が対応

    関西地方在住の女性、年齢は36歳です。

    既婚者ですが子供はいません。

    学校卒業後、ずっと同じ職場にて歯科衛生士の仕事をしています。

    年収は350万円程度です。

    残業があるともう少し増えます。サービス残業は基本的にありません。

    職場の考え方によりますが、私の職場では若いスタッフもベテランも在籍しております。

    若いスタッフがどうしても多くなりがちですが、技術さえあれば年齢は関係ありません。

    女性には結婚・妊娠・出産と人生のライフイベントが待ち構えています。

    結婚適齢期の女性がいなくなりがちなので、どうしても若いスタッフが多数いるように見えるのかもしれません。

    若いスタッフが産休や子どもの急病等で対応できない場合は、いわゆる私たちベテラン世代が対応いたします。

    歯科衛生士は技術があれば何歳になっても行える仕事だと考えています。

    細かい作業が多いので、年齢より視力の良さがあると良いかもしれません。

    歯科業界も日々新しい技術が開発され、導入されています。

    固定概念にとらわれず、新しいものを受け入れる柔らかい頭も必要です。

    私も40代に向けて年を重ねております。

    あと少しで老眼の問題が出てくるはずです。

    今後はどうなるかわかりませんが、必要とされる限りは今の仕事を続けたいと考えています。

    まとめ

    歯科衛生士に若い方が多い理由
    • 新卒で入社した方の多くが、結婚や妊娠、出産を機に退職される方が多い
    • 老眼になると口腔内のケアをするのが難しくなるため、他業種へ転職する
    • 育児との両立が難しく、給与も低いことから若いうちに退職してしまう
    • 体力的な問題から、訪問診療などへと働く場所を変えている
    • 培ったノウハウを活かしチェアサイドを離れ、幼児又は母親への指導をする
    • 歯科医師の方針により、40代で首を切られた人もいる

    歯医者でベテランの歯科衛生士さんをあまり見かけない理由としては、やはり若いうちに経験する方が多い「結婚・出産・育児」などのからみが原因であることが多いようです。

    その他には歯科技工士同様に、目が悪くなってくることから他業種への転職を検討される方もいるとのこと。

    また、一日中立ちっぱなしであることが多いチェアサイドでは体力的にも辛いため、今までに経験した知識を活かして、訪問診療などへと働く場所を変える方もいました。

    年齢を重ねたことから、院内に合わないという理由で首を切るような歯科医院などは、我慢せずにとっとと退職してしまえばいいと思います。

    若いうちから積み上げてきた、経験値やノウハウは決して裏切ることがなく、あまたの歯科医院や、訪問診療などで働きたければいくらでも居場所はあるはずです。

    今回のアンケート結果から、ベテラン歯科衛生士さんの現状を知ることができて本当に良かったと思います。

    歯科技工士とは違い、活躍できる幅も広いのですね。

    もしよろしければ、歯科技工士にも資格を活かした転職先がありますので、気になった方はこちら↓の記事もどうぞご覧ください。

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