- これから歯科技工士になろうかと迷っている
- いい大学に入れなくて人生詰んだと嘆いている
- なぜ歯科技工士になんてなるのだろうと思う人
今回は、「歯科技工士は頭が悪い⁉いい大学へ入れない代わりに手に職をつけた理由」と、いう内容にについてまとめました。
「歯科技工士」で検索すると、続いて出てくるのが「地獄」や「やめたほうがいい」、「頭が悪い」などのネガティブな言葉ばかりが出てきます。
この中でも今回特に気になったのは、「頭が悪い」といったキーワードです。
「地獄」や「やめたほうがいい」との理由は、他の記事にも書いたように、「長時間労働」「低賃金」などの現状から離職率が85%以上と非常に高いことに起因するかと思います。
では「頭が悪い」と検索されている意図は何なのでしょうか?
理由の一つは、歯科技工士のほとんどが「専門学校」を卒業している点にあるのかもしれません。
大学や、短大もまれにありますが、歯科技工士になるために必要なことは、歯科技工士免許という国家資格に合格することにあります。
そのため、わざわざ高い授業料を払ってまで大学に進学しなくても、専門学校に2年間通うだけで十分です。
更に専門学校に入るためには、偏差値なんて関係ないので、高校生時代に大して勉強していなくても、誰でも簡単に入学できるといった現実があります。
このことからも勉強ができる頭のいい人は大学へ行き、「頭の悪い人」は専門学校へ行きがちだといっても過言ではないでしょう。
しかし中には、進学校から歯科技工専門学校へと入学した人もいますので、何とも言い難い部分もありますが、平均的にはあまり勉強が得意ではないのかも・・?
結果として長時間労働・低賃金でありながらも、我慢して働くしかないのがほとんどの歯科技工士です。
そんな現実を知ってか、「歯科技工士 頭が悪い」と検索されてしまうのでしょうね・・
でも、よく考えてください。
本当に頭の悪い人が、国家資格なんて取れますか?
決して賢いことはないかもしれませんが、みんな根は真面目なんです。(多分)
だからこそ、根は真面目な歯科技工士について、正しく理解して欲しいとも思います。
それではさっそく見ていきましょう‼
歯科技工士は本当に頭が悪いのか⁉
昔、親戚の子にこう言われたことがあります。
「N君は頭が悪いから専門学校に行ったんだろ?」と。
急なことに面食らってしまいましたが、言い返す言葉もありませんでした。
事実としてそうだから。
「専門学校=バカ」
この図式は誰もがイメージとしてあるのではないでしょうか。
上場企業が求めるほどの偏差値がなくとも、大学に行く人が大勢いる中、専門学校へ行き手に職をつけたことは恥ずべきことだったのかもしれません。
専門学校へ行く人はどれくらいいるの?
1985年からのデータ観測に始まり、最近にいたるまでの専門学校への進学率は15%超となっています。
それに比べて大学進学率は50%と、およそ半数の人が大学へ進学していることが分かります。
大学へ行くことが全てとは言いませんが、この状況からあえて専門学校へ行く理由は2つあるかと思います。
- やりたいことや興味のあることを仕事にしたい
- いい大学に行けないのなら、手に職をつけておこう
僕の場合は手先が器用だったこともあり、後者のパターンでした。
数ある中から歯科技工士を選んだ理由
手先の器用さを武器にするなら、調理師などもあったのではと思われますが、僕は以下の理由から歯科技工士になることを決めました。
- かたく真面目そうなイメージ
- なんとなく儲かりそう
- 将来は少子高齢化のため、需要があるに違いない
今から約20年ほど前に、ちゃんと下調べもしないでこのような理由から決めてしまいました・・
もうこの時点でほんとバカですよね・・
現在のようにもっとインターネットなどで、情報を得られておけばなんて後悔しても仕方のないこと。
そうと決まれば話は早いとばかりに、歯科技工専門学校を受験することになるのですが、先にも言ったように、専門学校には「偏差値」なんて関係ないので受験は比較的ラクでした。
一応、それでも出願書と一緒に調査書(内申書)を提出する必要があるので、高校生活を適当に遊んでいてもいいという訳ではありません。
僕の場合は、ある理由から欠席日数が多すぎて推薦をもらえずに、一般入試のみで受験をしたところ、面接で欠席日数の多さをツッコまれ、なんと1校目を落ちています。
専門学校の受験で重要視されるもの
歯科技工専門学校では、年々、定員割れのため募集停止となり、閉校もしくは歯科技工科のみをなくす方向で調整されている学校が増えています。
そのため、受験をすればめったに落ちることはないと思いますが、僕のようにまさかの受験失敗となる人もいないとは限らないので、念のため重要事項を紹介しておきます。
- 評定平均値・・高校1~3年の成績、各科目の平均値
- 調査書・・高校時代の生活や活動、出席状況など
評定平均値とは、高校1年生から高校3年生で出願する前までに履修していた全科目の成績(5段階)を平均したもののことです。
※専門学校の選考目安は3.0
この評価値を元にして、応募者の選考を行う会議で「評定平均でC以上は欲しい」などの評価がされているそうです。
後は受験する学校にもよりますが、学科テストや面接と簡単な実技があるかと思います。
僕が受験した2校目では、面接と車のプラモデルを時間内に作るといっただけのことをして受かりました。
以上のことからも、普通に高校生活を送っていれば落ちることはほぼありません。
国家資格の合格率ってどれくらいなの?
脅かすわけではありませんが、ラクできるのは専門学校入学までです。(これもおかしな話ですが)
- 外国語・・英語
- 造形美術概論・・歯の絵を描いたりします
- 関係法規・・歯科技工士法と関連法規など、法律について
- 歯科技工学概論・・歯科技工の概念と歯科技工士の倫理
- 歯科理工学・・歯科鋳造の理論や技術、歯科材料、機械器具についての基礎的な知識
- 歯の解剖学・・歯の形態と構造を学び、石膏棒を歯の形へと削り出します
- 顎口腔機能学・・歯、口腔、顎のかかわりを生理学的に学ぶ
- 歯冠修復技工学・・歯冠修復物と架工義歯(橋義歯)の種類と構成など
- 矯正歯科技工学・・矯正装置を作ったりします
- 小児歯科技工学・・子供用の修復物と咬合誘導装置などの製作法について
思い出しただけでも頭が痛いです・・
1年目で実技や学科などの必須科目を学んだ後、2年目の中頃から急に国家資格取得に向けてのテストや、実技の練習が始まります。
僕の学校では、学科テストを毎週行っては教室に各個人の成績を張り出されていました。
実技はというと、一日に何度も何度も上下の人工歯配列(入れ歯の歯を並べること)を行ったものです。
その結果がこちら↓
毎年90%以上が合格しています。
結果だけを見るとその合格率の高さに、受験すれば誰でも取れるんだと思われるかもしれませんが、学校側も生徒も必死に努力をした結果です。
入学しても途中で嫌になり、退学する人も何人かいました。
以上のことから察するに、歯科技工士は決してそれほど頭がいいわけではないのかもしれませんが、必死に努力のできる、根は真面目な人達といっていいのではないでしょうか。
まとめ
- 歯科技工士はやはりそれほど勉強が得意ではないかもしれない
- しかし国家資格には合格できるほどのコツコツ努力型
- 職業柄、根は真面目な人が多い気がする
- 専門卒=バカの概念は心にしまっておこう
今となっては、いい大学に入れなかったからといって、手に職をつけたことは正解だったように思います。
当時の僕にはそうするより他なかったので。
ただやはり、もっとちゃんと勉強をしておけばよかったなと後悔もしています。
それは学校の勉強をという意味だけではなく、歯科技工士になる前に、情報収集をしておけばよかったという意味でも。
ドラゴンボールの悟空が言っていた、「落ちこぼれだって必死で努力すればエリートを超える事があるかもよ? 」という名台詞にもあるように、歯科技工士だって独立開業して1000万プレイヤーになった人だっているんです。
大事なことは、いくら頭が悪くても自分なりの目標をしっかりと持って、あきらめずに努力し続けることだと思っています。
僕はもうすでに歯科技工士を辞めていますが、当時からの目標として掲げていた年収は達成しています。
これもひとえに努力の結果です。
僕は頭が悪いから、なんて言い訳をしている暇があったら必死に努力をしましょう。
では、また。