- 目立つ銀歯を白い歯に変えたい
- なるべく保険適用範囲で治療したい
- 金属アレルギーに悩んでいる
今回は、2022年最新版として「銀歯を保険適用で白い歯にする方法」を紹介します。
ニコッと笑ったときにキラッと輝く白い歯、憧れませんか?
歯が白く美しい、ただそれだけで相手に与える印象はかなり違ってくるものです。
気になるあの子が実は銀歯だらけだった・・・
なんてショックを受ける人もいることでしょう。
それに銀歯って寿命があることを知っていますか?
実は知らないまま長年使い続けることで、歯と身体に良くない影響が出たりもします。
だからなるべく銀歯を使わずに、見た目も身体的にも今より良くなる方法を知って欲しいんです。
しかも保険適用範囲内でお安く。
更には金属を使わないので、金属アレルギーがある方にも安心してお使いいただけます。
時代とともに変貌を遂げた、新しい歯科診療を見ていきましょう。
銀歯を保険適用で白い歯にする方法3選
そもそも白い被せものが保険適用になったのはいつのことでしょう?
僕が子供の頃は虫歯を治すといったら銀歯が主流でした。
被せものじゃなくても、詰め物はみんな保険適用にするなら銀一色だったはず。
白い歯が保険適用になった年表を見ると、
- 2014年4月 銀歯だけではなく、白い被せものも健康保険で治療可能に
- 2020年9月 保険対応範囲が奥歯のみから、前歯まで適応拡大
- 2022年4月 インレー・アンレー(詰め物)が新しく保険適応リスト
このようになっているようです。
今から8年ほど前から、白い被せものが保険適用となっていたんですね。
その後も徐々に適応範囲が拡大し、現在ではほとんどの歯に対して白い歯を保険適用にて対応できるようになったとのことです。
では、保険適用での治療ができる、白い歯の種類を見ていきましょう。
コンポジットレジン
コンポジットレジンとは、セラミック粒子と合成樹脂を8:2の割合で合わせた白いプラスチック素材のことです。
治療方法は、ペースト状のプラスチックを歯に詰めて、特殊な光を当てて固める「光重合」という作業を行います。
略称としては、「CR」や「レジン」と呼ばれているようです。
メリット | デメリット |
---|---|
審美性が高い 歯への負担が少ない 比較的自由度が高く最小限の治療で済む | 強度が低い 経年劣化により変色する 歯科医師の技術で仕上がりが左右される 被せものに関しては一部保険適用外の場合あり |
コンポジットレジンは白いプラスチックの詰め物のため、天然歯となじみやすく、目立ちにくいといった特徴があります。
金属の詰め物を入れる場合は、詰め物をはめ込むために虫歯の部分だけではなく、健康な歯までを余分に削らなければなりません。
その点、コンポジットレジンは虫歯部分を直接、自由な形で埋められるため、健康な歯までを余分に削らなくても済むので、歯そのものへの負担が少なくて済むとのことです。
デメリットとしては素材がプラスチックのため、金属の詰め物と比べると強度が弱く、強い力の加わる奥歯などでは欠けたり割れたりしてしまうことがあります。
更にはその強度の問題から、あまりに深い虫歯や、広範囲を削る場合には対応できない可能性があるので、注意が必要であるとのことです。
金属とは違い素材がプラスチックであることから、長いこと使っている間に多少の変色や、艶が失われることもあるようです。
そしてこれは運的要素にもなるのですが、歯科医師の腕次第では仕上がりが異なってきますので、治療後に鏡でチェックした後は、自分の舌で歯をなぞってみるなどをして、しっかりと確認をしてください。
最後にこれら一連の事として紹介したのは、コンポジットレジンを使用した「詰め物」のことです。
「被せ物」に関しては、保険適用外のことがあるようですので、治療前に確認をしておいてください。
CADCAM(キャドキャム)冠(クラウン)
CADCAM冠とは保険適用の被せ物の場合、ハイブリットレジンというレジンとセラミック(陶材)を混ぜた材料を、機械で削り出して作る物のことです。
メリット | デメリット |
---|---|
歯に似た白色なので、銀歯に比べて審美性が高い 金属ではないため、金属アレルギーが起こりにくい 銀歯よりは高いが、保険適用なので比較的安価でできる 治療期間を短縮できる | 硬めのプラスチックではあるが、歯ぎしりや食いしばりが強い人には不向き 銀歯に比べて外れやすい 審美的に高いとはいえ、色のバリエーションがない 経年劣化により、艶がなくなっていく |
こちらもコンポジットレジン同様に、金属ではないため色が歯になじみやすく、金属アレルギーを起こす心配もありません。
料金については、銀歯と比べると少しお値段が上がりますが、保険適用外のセラミックに比べるとこちらの方が安くて済みます。
僕が調べた歯科医院では、従来の銀歯が3,500円程度であるのに対し、CAD/CAM冠の料金は3割負担で6,000円前後だそうです。(おそらくどこもこれくらいでしょう)
治療期間を短縮できる理由としては、自費の白い歯に比べて工程が多岐にわたるものではなく、機械で削り出した後に調整をするだけのことから、その分、治療期間が短くて済むということです。
どうしても保険適用の材料ということだけあって、自費のセラミック(陶材)と比べると見劣りする部分があるのは仕方のないこととして割り切るしかありません。
一応、CAD/CAM冠と保険適用外のセラミックとの違いを貼っておきます。
出典:三好歯科 自由が丘より
ほぼ全ての歯に対して、白い歯が適用されるようになったとはいえ、臼歯部(奥歯)への適用に関しては条件があります。
出典:佐々木歯科医院より
- 赤い部分の歯(6番)に適用したい場合、青い部分の歯(7番)が上下4本とも全部残っている必要があります
- 金属アレルギーの方は、医師の診断書があればどこにでも入れられます
続いて、CAD/CAMインレーについての紹介をします。
CAD/CAMインレー(部分的な詰め物)
これはつい最近、2022年4月からの診療報酬改定により導入が決まった、CADCAMインレー(部分的な詰め物)という、白い詰め物のことです。
メリット・デメリットについてはCAD/CAM冠と同じ材料のため、同様ということで割愛させていただきますが、適用条件はありません。
長年活躍してきた銀歯の終焉
ここまで紹介した中で、「それでも銀歯がいいという方に知っておいて欲しいこと」があります。
元歯科技工士の立場から言うと、ハッキリ言って銀歯は保険適用のため全く利益になりません。
そのため、銀歯を作るのは新人の歯科技工士である場合が多いのです。
まず、銀歯などの保険適用とされるものを沢山作って練習を重ね、その上でポーセレン築盛(メタルボンドの作成)などをしていきます。
同じ保険適用でもCAD/CAMは機械によるデータに沿った精巧な作り、しかし銀歯は新人歯科技工士の手作り。
もうお分かりですね?
運が悪いと不適合かつNGギリギリの銀歯を、あなたのお口に入れられていることもあるんです。(メタルインレーは更にヤバいです)
その結果、銀歯と支台歯(削った歯の部分)の間にできた隙間が、再度虫歯になっていくといった悪循環を生んでしまいます。
銀歯の寿命
銀歯の寿命は一般的に3~5年ほどと言われているのをご存じでしょうか?
おそらくこれを知らずに、ず~~~っとお口の中に入れっぱなしの方が多いと思います。
当然腐ってくるようなものではないので、使えることは使えるのですが、長年使い続けることで「金属イオンの溶け出し」ということが起こります。
この金属イオンの溶け出しが引き起こす事とは、歯肉を黒く変色させてしまうといったもの。
更には劣化による歯との隙間が生じるために、3~5年で取り換えが必要と言われています。
まとめ
- 保険適用の白い歯は、コンポジットレジン・CAD/CAM冠(インレー)がある
- コンポジットレジンの「被せ物」には保険適用外もあるので注意
- CAD/CAM冠の臼歯部(奥歯)適用にだけ条件あり
- 銀歯の寿命は3~5年
以上の結果から、僕がおすすめする保険適用の白い歯は、「CAD/CAM冠(インレー)」です。
最終的に人の手が加わるものと、初めから手作りのものとでは、圧倒的に精度が違ってきますからね。
ちなみにハイブリッドレジンの寿命は7~8年ほどだそうです。
自費のセラミックは10~20年。
耐久性としては、銀歯 < CAD/CAM冠 < セラミック この順番となります。
やはりかかる費用に対して、その分、耐久性が上がるようですね。
治療後に長持ちをさせる秘訣は、定期的な検診が必要となってきます。
保険適用で、歯を白くしたくて悩んでいる方の参考になれば幸いです。
では、また。