- これから歯科技工士になろうと思っている人
- 現在、歯科技工士をしながら将来が不安で仕方ない
- 親戚や友達に歯科技工士がいる(あの子大丈夫?)
今回は、歯科技工士業界の今後と将来性についてを語っていきたいと思います。
歯科技工士というと、暗く厳しい現状が待ち受けているような話ばかりが目立つので、どうしてもマイナスイメージが先行してしまうのかなと思います。
しかし今回は、歯科技工士にとっての新しい雇用形態とも言えるニュースが舞い込んできたのです。
従来の歯科技工所や、歯科医院にて延々と夜遅くまで働くことだけが歯科技工士の末路ではありません。
もしかすると今回のニュースにあるような新しい切り口での雇用が、歯科技工業界の今後と将来性を盛り上げてくれることになるかもしれません。
それではさっそく見ていきましょう!
歯科技工業界の今後と将来性
現在約8割の人が離職をしてしまうといった厳しい現状にある歯科技工業界。
そんな中、新たな切り口として舞い込んできたニュースがこちら↓
出典:FNNプライムオンライン
これは、ヤマト運輸と歯の矯正サイトを運営しているDRIPSという会社がタッグを組んで始めたサービスです。
今までの歯科技工業界において、こんな新しいサービスが始まるなんて一体誰が想像できたでしょうか。
詳しいことに関してはこちらの記事をご覧ください↓↓
このニュースを初めて見たとき、職人としての歯科技工士はこれから先も減っていくのかなとは思いましたが、機械を扱ったデジタル技工ができる人に対しては、まだこれから先、需要が伸びるとも思いました。
アナログが主流だった歯科技工業界も、デジタルへと移り替わる先に、新たな未来が見えてきたようです。
歯科技工のデジタル化
今から約20年前、僕がまだ歯科技工士の学生だった頃は、CAD/CAMなんてものは全く知りませんでした。
それゆえに授業で習うものは全てが手作業によるものばかり。
就職した先でもほとんどがその延長にありました。
そもそもパソコンが欲しいと言っただけでも、歯科技工士がパソコンなんて使って何をするの?と、笑われたものです。
それほどアナログが定着していた歯科技工業界に突如として、CAD/CAMを使った歯のフレーム作りをするといった仕事が爆発的に利益を生む時代が来ました。
品質の安定化
従来の手作業に比べて、最大のメリットは何と言っても品質が安定化したことです。
歯科技工士にとっては、データさえ入力しておけば寝ていても機械が作業して、翌日にはモノが出来ているのですからこんなに楽なことはありません。
しかし患者さんの手前、楽をして儲かることがメリットだなんてことを言ってはいけません。
あくまでも患者さん第一として考えることが大切です。
その点、どうしても従来の手作業によるモノづくりでは、作る人によって出来栄えが違うことにより、品質にムラが生じてしまいます。
もっと詳しい話をすると、CAD/CAMは元々ある材料を削り出すのに対し、従来の歯科技工作業では新しい金属に、古い金属を混ぜ合わせて作るなどをしています。
実際にどこまでが影響してくるのかは分かりませんが、この成分の「含有率」気になりませんか?
正直言って、僕が自分や知り合いに作る分に関しては全て新しい金属を使ったりしていました。(これをバージンメタルと言います)
だって何が混じっているのか分からないんですもの・・・(ごめんなさい)
こ・れ・が!!
CAD/CAMでの作成により、品質は一定のものとなります。
ちなみになぜ品質が安定化するのかというと、このようなブロックをCAD/CAMで削り出すからです。
これならどこをどう削って作り出しても、品質にムラはありませんね。
しかも入力したデータに沿って機械がピッタリに作ってくれるので、作る人がベテランや新人であるなどの技量に左右されることはありません。
3Dプリンターで矯正用マウスピース
ヤマト運輸とタッグを組んだDRIPSが作っているのは矯正用のマウスピースですが、作り方は同じく決められたデータに沿って3Dプリンターで作成するといったこと。
CAD/CAMとは違うものの、扱い方や作り方は似たようなものだと思います。
要は、従来の手作業による歯科技工時代から、どんどん新しくデジタルでのモノづくりが進んでいるということです。
こららのことが意味することは、歯科技工士としての腕を磨くことも大事ですが、これから先の歯科技工業界を見据えるのならば、CAD/CAMなどの機械を扱った歯科技工が出来なくては、時代に取り残されることになると思います。
歯科技工士の新しい雇用形態
従来、歯科技工士としての就職をする際のアピールポイントとしては、「何が作れるか」でしかありません。
これは職人としての話。
でも歯科技工士ですので、上手にモノを作れるだけの人は沢山います。
そんな中でCAD/CAMを扱えるスペシャリストとしての「CAD職人」になることの方が、僕はこれからの時代に合った歯科技工士として活躍できるように思います。
事実、ヤマト運輸では3Dプリンターを扱っていますが、主に求められるのは「データに基づいたモノを作ること」のはず。
僕も歯科技工士をしていた時に、CAD/CAMを扱ったことがありますが、従来の歯科技工物を作ることと、データを扱った設計からのモノ作りでは全くの別物です。
誰でも簡単に覚えられるようなものではないため、一度覚えてしまえば、すぐに他人に取って代わられる心配は少なくて済むでしょう。
まとめ
- 歯科技工業界の今後は更にデジタル化が促進する
- 将来的にもCAD/CAMが扱えることは必須
- デジタル技工に活路を見いだせ!
最終的なところは歯科技工士の腕によって仕上げるため、技術力が必要なくなったというわけではありません。
そこに至るまでの経緯がデジタル化したことによって、品質が安定し、従来の歯科技工物よりもいいものが患者さんへ提供できるようになったということ。
そしてこれからの歯科技工士は、腕を磨くだけではなく、CAD/CAMなどの最新技術を覚えることにより、何か新しい雇用形態があった場合にも対応していくことができるでしょう。
ぜひ自分にしかできない「特化」した技術を確立してください。
それこそが、これからの歯科技工士業界の今後と将来性を生き抜く術になると思います。
では、また。