歯科助手の仕事で知っておくべきつらいこと・大変なこと10選‼

    はじめて歯科助手として働くことになり、不安に思っている方は「つらいこと・大変なこと」を前もって知っておき、自分なりの対応策を考えておくことをおすすめします。

    なぜなら歯科助手として働くことの敷居は低く、誰でも簡単に歯科助手として働けるのですが、歯科医院という限られた狭い環境ではクセ強めの人間も多く存在するので、嫌になる方もいるからです。

    実際の現場にて苦労されることは、大きく分けて次の3つが予想されます。

    • 人間関係(スタッフや患者さん)
    • 聞いたことのない歯科知識
    • 仕事内容

    これから現役の歯科助手さん達に聞いた、職場での「つらいこと・大変なこと」を紹介するので、自分が同じ状況だったらどうするのかなど、対応策を今のうちに考えておきましょう。

    目次

    歯科助手の仕事でつらいこと・大変なこと

    何の仕事でも、慣れないうちは大変なことが当たり前ですよね。

    ただ例えば、工場と事務のお仕事では仕事内容の違いがハッキリしているので、何がどう大変なのかをそれぞれに予想すると、何となくこんなことかな?ということが分かります。

    このような「嫌なことに対する予測」は、できることなら今のうちにしておくことをおすすめします。

    僕が以前、歯科技工士として働いていた際「ネギや歯垢がびっしりついた入れ歯」を修理することになったときは吐き気がしました。

    人の口腔内に入っている物を扱う仕事のため、このようなこともたまにはあるんだと前もって知っておけば「ついにこの日がきたか・・」くらいの気持ちで流すことができたはずです。

    歯科助手さんの場合は、どんなことを大変に思われているのでしょうか。

    パワハラ歯科医師とウマが合わない‼

    愛知県一宮市の小さな歯医者の歯科助手(パート勤務)をして早5年になります。

    年齢は31歳、年収はパートのため200万円程度です。

    一番辛いのは強いて言うならば、歯科医師との衝突です。

    気に入った患者さんにはとことん甘いのですが、私達歯科助手が何かとミスをしたり作業が遅いと、患者さんが見ている目の前で私達を思い切り叱ることがあります。

    更には軽い暴力をしている所を見せつけ、晒し者にするといった酷いパワハラやモラハラをする上司のため、正直あの先生の下で働くのはもう限界に近いです。

    給料は重労働で残業もあるにも拘らず、サービス残業ばかりで殆ど愛知県の最低賃金に等しい額でしかありません。

    何よりも歯科助手に教えるやり方がとにかく雑‼

    自分にしか分からないやり方や教え方をするクセに、理解できないと鼻で笑いながら馬鹿にして人格否定をします。

    そして患者さんの前では猫をかぶって良い先生を演じるなど・・

    正直なところ、なぜ歯科助手に憧れてこの仕事に就いたのか分かりません。

    窓口で患者さんに怒鳴られた・・

    鹿児島県在中の26歳です。

    前職は介護福祉士として勤めていましたが、持病が悪化したため介護を引退し、歯科の業界に入りました。

    歯科助手としては2年目と日が浅く、まだまだ知らないことが多いため、日々勉強中です。

    私は、歯科の経験が全くなかったため、入社してすぐ歯科用語の勉強から入りました。

    予約の取り方や電話対応の仕方、診察室での患者さんとの対応の仕方など、1から教えて頂き覚えることがあり過ぎて頭がパンクしそうになりましたが、必死で脳内に叩き込みました。

    歯科助手はとにかく、仕事内容が多いと思います。

    歯科医師や歯科衛生士のサポートはもちろん、電話対応や滅菌作業、受付業務などを要領よくやらないと仕事が回らなくなるため、まさに縁の下の力持ちだと痛感しました。

    1番辛かったのは窓口での患者さんとのやりとりです。

    夕方や土曜日は2ヶ月待ちと、なかなか予約が取れないことに対し「どうしてここの歯医者はこんなに予約が取れないんだおかしい!」と怒鳴り散らした患者さんがいて、あまりの怖さに泣いてしまったことを覚えています。

    理不尽な人もいるんだなと勉強にはなってますが、こんな患者にはなりたくないです。

    口臭い・おしゃべり・優柔不断な患者さん

    東京都日野市在住、小学生の子供がいる49歳、歯科助手としての勤続年数は3年目です。

    子供の帰宅時間が遅くなってきたので、短時間のパートを探して今に至ります。

    職場は自宅から近く、午前中だけの仕事であることや子供の体調不良なども考慮してくれる点が決め手となり、働くことにしました。

    年収は月に4万円ほどのため、約50万円くらいです。

    仕事で辛いことは、マスク越しでもわかるほど口臭のきつい人を担当するときです。

    嫌な顔はできないし、呼吸をしないわけにもいかないので、本当に早く終わらないかなと思ってしまいます。

    また、お話好きな患者さんも大変です。

    次の準備があるから早く片付けたいにも拘らず、世間話が後を絶ちません。

    そんなときは、時間がないことを会話の中でアピールしなければならないことが大変です。

    受付担当を手伝うときには、なかなか次の予約が決められない人も困ります。

    少ない人数で仕事をしているので、1人が患者さんの担当に時間を取られると、他の患者さんや先生を待たすことになってしまうので対応に困ることがあります。

    人間関係は、人数が少ないのでとても良い環境です。

    休みなども子供の体調不良なども考慮してくれます。

    待遇は午前中のみのパートなので特にありませんが、しっかり働いている人には、交通費やミニ賞与もあります。

    未経験者が歯科医療に関わることへの高い壁

    関東圏の大学に通っている、22歳の大学生です。

    約半年働いており、神奈川県に住んでいます。

    歯科助手はアルバイトで行っており、月に4万円ほどの収入です。

    つらいと感じるのは「仕事内容」です。

    私の職場にはマニュアルなどがなく、自分でメモを取って覚えていくスタイルです。

    しかし、歯科医院は医療機関なので命に関わる薬品や、治療上間違えてはいけない機器などが沢山あります。

    一つのミスが命に関わる場所なのに、自分のメモを頼りにしないといけない部分がつらいです。

    質問しようにも他の先輩スタッフは忙しくしていますし、やけにピリピリしているのでとても聞きづらいです。

    口腔処置をするのもいきなり本番でしたし、何にせよ新人への教育ができていないのではないかと感じています。

    また、人間関係も大変です。

    女性や特に主婦が多いからなのか、私が入った時からグループが作られていて、新人が入っていきにくいです。

    人間関係やモチベーションの問題から転職者が多い

    私は24歳で、現在勤めているクリニックは2つ目です。

    勤続年数は2年程度です。

    また、神奈川県の横浜市に住んでいて、勤務地までは電車とバスで通っています。

    年収は、額面ベースで400万円弱です。

    歯科助手の仕事でつらいことは、主に2点あると思います。

    1点目は、院内での人間関係の問題です。

    私の勤めているクリニックでは、かなり上下関係があり古参の歯科助手が後輩に対して強く当たっていることが頻繁にあります。

    また、先生との関係や連携も大切で、いかに円滑に処置を進められるかを大切にしているため、業務が滞ることがあったり連携が取れないスタッフは、バックの業務に移されることがありました。

    2つ目は、業務内容です。

    やはり何年も勤続していると、業務に飽きてしまい仕事のモチベーションを維持するのが難しくなると思います。

    現状、多くのスタッフは仕事に対してやりがいを求めて他業界への転職をする方が沢山いて、入れ替わりの激しい職業だと思います。

    序列では下の下、一日中立ちっぱなしでつらい

    42歳の大阪に住む副業歯科助手です。

    普段は会社員として働いていますが、コロナ渦で本業の年収が30パーセント減り、副業として歯科助手を始めました。

    未経験から初めて歯科助手歴が1年半です。

    年収は30万ちょっとです。

    つらいことのひとつは「序列」です。

    当たり前ですが、医師>衛生士>助手の構図です。

    副業で歯科助手をしていますが、会社では新卒からずっと働いているため、特に資格なども関係なく、年数に応じて経験を積み重ねて上位役職につけます。

    実際会社では課長職です。

    実力があれば部長にもなり得ますが、歯科助手はどれだけ仕事ができても歯科衛生士以上にはなれません。

    また、歯科助手の中で甲乙つけがたいことから、賃金差がないことにも疑問を感じます。

    2つ目の辛いことは、立ちっぱなしであることです。

    歯科医師や歯科衛生士は座って口腔内を見ますが、歯科助手は準備や片付けがあり、歯科医師の補佐で座ることができません。

    5時間近く立ちっぱなしのため、身体的にかなりきついです。

    また、私は身長が高いため、長時間のバキュームだと腰にきてつらいです。

    人間関係は良好だが長時間労働・低賃金

    27歳で勤続年数は2年です。

    住まいは兵庫県で、県内のクリニックに勤めています。

    兵庫県では比較的大きな規模のクリニックで、1日に80名ほどの患者様が来院されます。

    年収は300万いかないくらいなので本当に少ないです。

    つらいことは、お給料の割にキツイです。

    朝早く行って玄関周りの掃除や準備をしないといけないし、夜は他のスタッフより遅くまで残って片付け、清掃をしています。

    基本給も低いので残業代で稼ぐといった感じです。

    一日中動き回っているので体力も消費します。

    仕事に慣れるまでは1日が終わるとぐったりして、そのまま寝落ちしてしまう、なんてこともしょっちゅうでした。

    あと、立ち仕事なのですごく足がむくみます。

    他のスタッフ(先生、衛生士さん、受付さん)は座りながら仕事しているので、羨ましいなぁと思うこともあります。

    人間関係は悪くないのですが、歯科助手という立場的にどうしても雑用係になってしまうのは気になりますが、こればっかりはどうしようもできないので仕方なく諦めています。

    院長より権力をもつお局様の存在

    東京都在住、29歳の女性です。

    歯科医院には4年間勤務しておりました。

    最近になり歯科関係の企業へ転職をしましたが、その前まで歯科助手をしており、3つの歯科医院を経験しております。

    年収は300万円ほどで残業代はほぼなし、休日は多かったです。

    狭い世界で女性社会の為、人間関係が1番大変です。

    勤続年数が長い衛生士さん(お局様)がいると、その人が院長より権力を持っていることがあります。

    お局様を中心に派閥があり、みんないい大人なのですが、いじめやパワハラに発展する事もあります。

    また、助手は資格がないのでどうしても衛生士の下というイメージも強く、後片付けや掃除などを全てこなさなければいけないケースもありました。

    本来歯科助手は患者さんの口腔内に触れてはいけないのですが、人が足りてないとスケーリングや印象、補綴物のセットまで行うことがあり、技術の習得が大変でした。(本来は違法です)

    この他には受付も行うので、アポイントの取り方、保険証の種類やレセプトなど、覚えなくてはいけないことが多く大変でした。

    来院前に歯を磨かない患者さんが多く不衛生

    41歳の女性です。

    以前は静岡県で2年間、正社員の歯科助手として働いてました。

    お給料は23万円でしたので、手取りだと20万円に満たない程度でした。

    個人経営の歯科医院でドクター2人と、歯科助手3人、歯科衛生士1人、歯科技工士が1人いました。

    辛かったことは、お口の中が不衛生な患者さんが殆どで、歯磨きをしないで来院される方が多くいたことです。

    正直、汚いものに触れることが苦痛な人は向いてません。

    また、昼休みが長い分、拘束時間が長く、朝早いのに帰宅が遅いので、平日は終業後にプライベートな時間が確保しにくかったです。

    人間関係は、従業員同士は良かったのですが、院長先生が歯科助手のことを「おねえちゃん達」と呼んでいたのが、飲み屋の女の子と変わらないレベルで見られているようでいつも嫌でした。

    待遇の面では資格保有者と数万円しか変わらなかったので、業務の内容や責任を考慮すると、悪くはなかったとは思いますが、やはり、他業種と比べれば低賃金のように感じました。

    息巻くお局様やドクターが入れ替わる度に神経を擦り減らす

    埼玉県に住んでおり、県内の歯科クリニックに5年間勤めておりました。

    歯科助手として働いていたのは、約10年ほど前になります。

    当初の年収は240万円で、ボーナスはほとんどもらえないところでした。

    歯科助手の仕事は歯科衛生士と違って、資格がいらないので誰でも比較的簡単に就職することができます。

    しかし、新人の若い歯科衛生士さんと比べてもランク的には一番下なので、いつまでも下っ端扱いということになります。

    お給料もすぐに歯科衛生士さんの方が、 たくさんもらえるようになってしまいます。

    歯科助手の先輩が「生意気な新人歯科衛生士が行ってきたらいびってやるわ」と息巻いておりました。

    そんな怖いお局様なので、私も新人の頃はよくいびられていたことがあります。

    また、ドクターの入れ替わりがあるとその度に気を使います。

    ウマが合うドクターならばいいのですが、きつい性格の方ですとこちらも仕事がしにくいからです。

    この他には、立ち仕事のため比較的体力にもつらいです。

    まとめ

    歯科助手のつらいこと・大変なこと
    • 歯科医師とウマが合わないこともある
    • 理不尽に怒る・口臭がひどい患者などの対応
    • 診療に関し、数多くある機器・薬品を間違えられない
    • 歯科医師>歯科衛生士>歯科助手(院内での立場)
    • 一日中、立ちっぱなしのため体力的にキツイ
    • 難しく大変な業務内容に給料が見合わない

    みなさんのお話をまとめたうえで、元歯科技工士の立場からするとお給料に関しては、そんなに悪いとは思いませんでした。

    同じ現場で働く歯科技工士や歯科衛生士は、最低2年間は勉強をして国家資格を取得していますので、無資格で未経験者としても働けるなら、給料的にはこんなものではないかと思います。

    ただどうしても院内の力関係をみると、長年働いたところで立場的には一番下になるでしょう。

    なぜなら、歯科衛生士さんに比べても高度な技術や知識を持ち合わせていないからです。

    しかし卑下する必要はありません。

    あなたが歯科助手として頼りになる存在であれば、みんなが認めてくれるはずです。

    歯科技工士も未熟であれば、歯科医師からバカにされることもあります。

    逆に高度な技術や知識のある歯科技工士は、歯科医師の方から「先生」と呼ばれている方がいるのです。

    そのため歯科助手として働くうえで大切なことは、

    • 初心を忘れないこと
    • 学びたいことを明確にする
    • 立場を気にしない
    • みんなから頼りにされる縁の下の力持ちとなる
    • 辞めたいなら今の経験を次に活かせるようにする

    以上が重要なポイントになるかと思います。

    最初に働くための敷居は低くても、いざチェアサイドに立ってしまえば厳しい現実が待ち受けているため、ある程度の覚悟は必要になるでしょう。

    一度覚えてしまえば自分のものです。

    とにかくはじめの3ヶ月は必死で仕事をこなし、自分なりのやりがいを見いだしましょう。

    もし歯科助手をやってみたいけど、そもそも私は歯科助手に向いているのかな?と不安に思っている方はこちらの記事↓もご覧ください。

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