【資格商法⁉】歯科助手をしながら取れる資格に意味はあるのか?【通信教育の闇】

    こんな人におすすめ
    • これから歯科助手として働こうと思っている
    • 歯科助手として働きながらでも取れる資格に興味がある
    • 今よりもっとレベルアップした歯科助手になりたい

    今回は、「歯科助手として働きながらでも取れる資格に意味はあるのか?」と、いうことについて紹介したいと思います。

    これから歯科助手として働こうと思っている方にとって、はじめて歯科医院で働くことはとても勇気がいりますよね。

    しかし歯科助手の求人情報を見ると、「未経験者でもOK」と書いてあるところが多いと思います。

    確かにこれから歯科助手として働くことに対して、資格や免許といったものは必要ありません。

    これらのことから察するに、だったらそんなに心配しなくても大丈夫なんじゃない?という方と、やっぱり前もってしっかりと勉強してからじゃないと不安だと思う方の、二極化になるのではないでしょうか?

    せっかく歯科医療に興味をもって働きたいと思っているのに、不安な気持ちのせいであと一歩勇気がでない。

    そんなとき、資格取得について調べている間にこんなうたい文句を見つけてしまうと・・

    「資格を持っていることは知識習得の証となり就職の際に大きなアピールポイントになります!」

    なんとなく救いの手を伸べられている気がしませんか?

    資料請求だけなら無料だし・・

    なんて気がついたら教材セットが届いていたなんてことになる前に、ちょっとだけよく考えて欲しいのです。

    あなたが取ろうとしている資格、本当に必要ですか?

    目次

    歯科助手をしながらでも取れる資格とは?

    もう一度言っておきますが、そもそも歯科助手になるためには資格が必要か?ということについては、何の資格や免許も必要ありません。

    それでも歯科助手をすることに関係した資格が、いくつか存在するのは事実です。

    日本歯科医師会 歯科助手資格認定制度

    • 公益社団法人日本歯科医師会が認定している資格
    • 専門学校での実際の講習などが必要
    • 甲種と乙種の2種類がある
    • 乙種は、乙種第一と乙種第二の2つに分かれる
    • 甲種歯科助手資格:120時間の実習を含む、診療用機械の取扱いやX線フィルムの整理、歯科用語、消毒法、医療安全など全17項目、計420時間の訓練を受ける必要がある
    • 乙種第一歯科助手資格:おもに「診療室内の仕事」についての認定。一般教養、歯科臨床概論、保守管理、消毒法、共同作業など11項目に対して、計52時間の訓練時間が認定には必要
    • 乙種第二歯科助手資格:歯科助手としての心得、一般教養、歯科臨床概論、歯科事情、社会保険の概要、受付の業務など11項目に対して、計40時間の訓練時間が必要

    歯科助手検定試験

    • 医療福祉教育振興グループの日本歯科助手検定協会が運営しているもの
    • 1級、2級、3級の3種類の検定試験がある
    • 受験資格は特になし
    • 3級:歯科医療の基本的な知識と簡単な診療方法の把握
    • 2級:歯科医療のさらに広い知識と診療方法の応用が問われる
    • 1級:歯科医療への深い認識と、診療体制について正確且つ迅速な対応力が求められる

    歯科医療事務管理士(R)技能認定試験

    • 技能認定振興協会(JSMA)が認定する資格
    • 歯科医院における患者さんへの対応、レセプト作成、カルテの管理といった歯科助手に必要な医療事務スキルを持っているかが問われる

    歯科助手専門員

    • 全国医療福祉教育協会が認定する資格
    • 歯科助手にとっての必要なスキルと知識を証明するもの

    歯科アシスタント検定

    • 全国医療技能検定協議会が運営する検定試験
    • 事務業務:受付業務、カルテの整理、会計業務、診療報酬明細書(レセプト)作成など
    • 歯医者のアシスタント業務:器材の準備や受け渡し、消毒、薬品の準備、後片付けなど
    • 「事務業務」と「歯医者のアシスタント業務」を合わせて、医療事務員として円滑に行っていくために必要な歯科助手の能力を証明する検定試験

    歯科医療事務検定

    • 全国医療技能検定協議会が運営する検定試験
    • 事務業務:受付業務、カルテ管理業務、レセプトの作成、点検業務など
    • サポート業務:歯科医師・歯科衛生士への手助けが出来ること
    • 1級、2級、3級の3種類の検定試験がある
    • 3級:医療保険制度などの理解や基本的な治療内容の把握、カルテに点数記入ができる能力が問われる
    • 2級:さらに応用的な治療内容を把握し、きちんとレセプトに記入できるかが問われる
    • 1級:さらに高度な知識とスキルが審査される

    自分で調べておいてなんですが、こんなに沢山の資格があるとは知りませんでした。

    「日本歯科医師会 歯科助手資格認定制度」は、専門学校に通う必要があるとのことですが、その他は通信教育を利用することにより、在宅受験できるものばかりです。

    そしてどの資格内容もほとんどが似通っていることから、資格取得をしたからといって就職の際に有利に働くとは思えません。

    現役の歯科助手さんのお話を聞いても、就職の際に重要視されるのは「実績(経験値)」であり、何らかの資格を持っていたところで、有利に働くといったことはないそうです。

    逆に資格を取ったにも関わらず、就職をして働きだしたところ、全く思うように動けないことから、かえって自信をなくすことにもなるとのこと。

    もしこの中から、どうしても何か一つでも資格を取得したいということであれば、個人的には「日本歯科医師会 歯科助手資格認定制度」を取ることが一番効果的なのかなと思います。

    しかし、専門学校に通うための費用や時間のことを考えると、「就職前に最低限覚えておくこと」だけを頭に入れて、後は仕事をしながら身につけていくことが一番効率的なのではないでしょうか。

    資格商法とは?

    資格商法(しかくしょうほう)とは、「就職に有利」、「資格を必要とする仕事を提供する」などといい、資格取得のための通信教育費用や授業料を支払わせる商法のこと

    Wikipediaより

    今回紹介している歯科助手の資格に関して、〇ーキャンなどの通信教育がこのようなことをしているとは言いませんが、「就職の際に大きなアピールポイントになります」くらいのことは紹介文として書いてあります。

    果たして本当にそうでしょうか?

    確かにアピールポイントにはなるのかもしれませんが、国家資格でもない民間資格にそこまでの期待はできないと思います。

    不安に思っているときこそ一度冷静になって、現役で働かれている方のお話をよく聞いてから、本当にその資格が必要かどうかを判断してほしいのです。

    まとめ

    • 歯科助手資格などの民間資格はなくても全く問題ない
    • 歯科助手をするならとにかく現場での経験値をつむこと
    • 資格取得よりも、勉強するなら器具や機材の呼び名などを覚えておこう
    • とっても意味のない資格もあることを知っておくこと

    歯科助手の仕事とは、歯科衛生士や歯科技工士のように国家資格がなければできない仕事をするわけではありません。

    あくまでも事務作業や、診療時の簡単なアシスタント業務をすることが前提です。

    どうしても不安であれば、歯科助手向けの本を一冊買って読むだけでも十分だと思います。

    数ある資格取得のうたい文句に、まんまと踊らされることのないように気をつけてください。

    では、また。

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