- 差し歯が取れたけど歯医者に行く時間がない
- 素人が接着剤なんかで治していいか迷っている
- とにかく今だけなんとかしたい‼
今回は、ここぞというときにこそ起こりうる不測の事態に備えた「差し歯が取れたときの応急処置」を教えたいと思います。
普段、家にいて差し歯が取れた場合であれば、すぐにいつも通っている歯医者さんに予約を取って治してもらえばそれが一番いいのですが、そういうわけにもいかない場合ってありますよね。
例えば旅行先だったり、これから人と会う約束をしていたり、そもそもすぐに歯医者さんの予約が取れない場合など。
そんなときに、素人であっても市販の材料でとりあえず今だけ簡単に治せる方法があります。
ただし使ってはいけないものや、使用上の注意等がありますので、簡単な応急処置といっても侮ってはいけません。
その点をふまえて自分でもできるように、順を追って説明していきますので大丈夫です。
それではさっそく見ていきましょう!
差し歯が取れたときの応急処置の手順
まず、自分で差し歯を戻すことのリスクについてを知っておいてください。
- 仮に戻すだけのため、すぐに外れてしまい飲み込んでしまう
- 就寝時に何かの弾みで気管に入ってしまう
- 戻した差し歯の部分で強く噛むと、歯根が破折する
これらのことを頭に入れ、自分で差し歯を戻すのはあくまでも応急処置であり、歯科医院にて治してもらうまでは差し歯の部分で強く物を噛むことをしないなど、すぐに外れてしまうリスクを回避する必要があるので注意しましょう。
取れた差し歯を確認する
取れたばかりの差し歯には、臭いや血、または歯科医院で装着した際の接着剤がついていることがあります。
もしこの時点で臭いがしたり、血がついているなどの症状がみられる場合は、歯根が破折している可能性があるので、自分で元に戻すことはせずに差し歯をケースなどに入れ、歯科医院を受診するまで保管しておきましょう。
外れたところを確認する
差し歯が取れたところを鏡などで確認し、歯が黒くなっていないか(虫歯になっている)どうかを確認し、血もついていないようであれば次の工程へ。
差し歯と取れた箇所をキレイに磨く
差し歯には歯垢や唾液、食べかすが沢山ついていたり、接着剤がこびりついている場合がありますので、それらをしっかりと歯ブラシで磨いて除去しましょう。
これをしないで元に戻そうとしても、歯根にうまく戻すことができませんし、中に食べかすなどが入り込んでしまい不衛生なので絶対にやめましょう。
差し歯をキレイに磨くことができたら、外れたところ(歯根)の中を歯間ブラシで磨いてください。
差し歯と歯根の中をしっかりと磨くことができたら、一度、差し歯を元の位置に戻してみましょう。
隙間なく、しっかりと差し歯が戻れば次のステップへ進んでください。
入れ歯安定剤を接着剤として使う[※瞬間接着剤は絶対NG]
ドラッグストアには、外れた歯を戻すための専用の接着剤というものは販売されていないため、「入れ歯安定剤」を使用します。
※間違っても瞬間接着剤は絶対に使わないでください。
もしこれを使ってしまった場合、歯根の中に瞬間接着剤が残ってしまい、二度と差し歯を再利用することが出来なくなってしまします。
歯科技工用瞬間接着剤も同様に使ってはいけません。
使う入れ歯安定剤と使用方法・使用量
入れ歯安定剤にも種類があります。
差し歯を戻すのに使うのはこちら↓
新ポリグリップクリームタイプ
クリームタイプは流動性があるので、接着面の厚さが均一に薄くできるため、ほぼ正しい位置に戻すことができます。
一方で、タフグリップクッションタイプは流動性が低いため、接着剤としては適切ではありません。
もし家にあった場合でも、どうせ少ししか使わないんだからどちらでもいいだろうと安易に使うことはしないでください。
- 米粒ほどの入れ歯安定剤を、外れた差し歯の根元に対し満遍なく塗り、歯根(取れた所)へと差し込む
- もし浮いてしまった場合は、入れ歯安定剤を少量にしてやり直す
差し歯が取れてしまう原因とは
そもそも差し歯が取れてしまう原因とは一体何なのでしょうか。
ガムを噛んだりしたわけじゃないのに面倒くさいことになったと、がっかりしていませんか?
歯科医院や歯科技工士の腕が悪いんじゃないのかと疑いたくなるかもしれませんが、その原因の多くは本人の口腔内にあるようです。
歯根にできてしまった虫歯
元々、差し歯が入っていたところを「歯根」と言いますが、その歯根に虫歯ができると、差し歯と歯根の間に隙間ができてしまうため、差し歯が外れやすくなってしまいます。
出典:あき歯科医院
接着剤が劣化している
差し歯は歯科医院にて装着をする際、専用の接着剤をつけています。
この接着剤が経年劣化によって粘着力が弱まったことも、外れやすくなる原因となります。
歯ぎしりや食いしばりによる脱落
差し歯は嚙むときにかかってくる縦方向の力には強いのですが、歯ぎしりなどの横に動く力には弱く、脱落の原因となってしまいます。
また、歯ぎしりだけではなく食いしばりも差し歯が外れやすくなってしまう原因のひとつです。
差し歯そのものが破損している
差し歯は通常、歯根に開けた穴に対して芯を刺した状態で安定させているのですが、稀にこの芯が折れてしまい、脱落することがあります。
差し歯の作り方に問題がある場合
印象採得をした者、その上に差し歯を作った歯科技工士の腕、このどちらかもしくは両方に問題があった場合、当然のことながら不適合な差し歯が出来上がり、その結果として差し歯が外れやすくなる原因となります。
差し歯の噛み合わせが良くなかった
こちらも歯科技工士の腕の問題になってきますが、噛んだときに強く当たってしまうなどの噛み合わせの設定が良くない場合にも、差し歯が外れやすくなる原因になります。
差し歯が入るところの歯根が割れている
差し歯が入る歯根が何らかの原因で割れてしまった場合、差し歯自体を支えることができなくなってしまうので、これもまた脱落の原因となってしまいます。
まとめ
- 差し歯が取れたときは、そのまますぐに元へ戻さないこと
- 血や異臭が確認された場合は、自分で直さず歯科医院に任せる
- 自分で治せそうなら、差し歯と歯根の穴を丁寧に歯ブラシで磨く
- 接着に使うものは新ポリグリップクリームタイプ(入れ歯安定剤)
- 瞬間接着剤は絶対に使わないこと‼
- 自分でつけた差し歯では強く噛まないこと
何度も言いますが、自分で差し歯を治すことはあくまでも応急処置であるということを忘れないでください。
そしてなるべく早いこと歯科医院にて受診し、ちゃんと治してもらってください。
どこかでまた外れてしまうかもしれないので。
だからといって瞬間接着剤でしっかりつけようとしても、うまく元に戻せないうえに、二度とその差し歯は再利用できなくなりますのでご注意を。
とりあえず今だけのこととして、差し歯が取れて困っている方の参考になれば幸いです。
では、また。